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工場や倉庫で使われる折板屋根の塗装メンテナンスと知っておきたい面積の求め方
皆さんは【折板(せっぱん)屋根】という屋根材をご存じでしょうか?倉庫やプレハブ、工場など比較的大きな建築物に使用されている屋根材という認識が多いのですが、実は皆さんも見たことがある身近な屋根材です。今回ご紹介する折板屋根ですが、施工方法から瓦や化粧スレートとは根本的に違うためメンテナンスにも気を配っていただきたいのです。
工場や倉庫というと企業様が所有されているケースが多いですが、折板屋根はアパート・マンションの駐輪場等にも使用されているためオーナー様・管理会社様も必見です。大規模建築物や普段メンテナンスが行き届かない場所に施工されている折板屋根だからこそ、雨漏りや劣化が起きた際の補修は大変且つなかなか腰が上がらない作業になります。後々の支出や補修範囲が大きくならないよう日頃から塗り替えや補修を行いベストな状態を維持するよう心がけていきましょう。
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折板屋根とは
近い形状の大波・小波スレートも工場や倉庫に使用されていますが、アスベストを含有していた以前よりも施工数が減った印象が見受けられますね。その理由として折板屋根の優れた特徴も挙げられるかと思います。
折板屋根の素材は多くがガルバリウム鋼板です。一般住宅でのリフォームでも注目されていますが、ガルバリウム鋼板はトタン屋根よりも錆びにくい上に非常に軽く、建物への負担を軽減させることが可能です。
軽量な折板屋根で施工することで地震の揺れも軽減させ、倒壊防止・破損防止が期待できます。
工場や倉庫に折板屋根が使用される大きな理由として、他の屋根材よりも長く施工することができるのです。場合によっては100mを超える施工も可能で、運搬ができない場合は建設現場に機材を持ち込み成形させながら施工を行います。
またわん曲加工をすることもできますので、その施工の自由度から東京ビッグサイトや西武ドーム等にも折板屋根が使用されています。
折板屋根はタイトフレームと呼ばれる下地金具を用いることで梁や母屋に直接葺くことができるため、野地板が必要ありません。
その分施工工程も材料も少ないため工期短縮も図ることができコストパフォーマンスにも優れています。
上記の特徴から折板屋根が多くの建築物に使用されていることにも納得がいきますよね。自由度が高い折板屋根ですが施工面積や屋根材によって固定方法が3種類に分かれますのであわせてご紹介します。
折板屋根の固定方法
1.重ねタイプ
タイトフレームから突き出したボルトを折板屋根に貫通させボルトで固定する基本的な固定方法です。シンプルな施工方法ですが耐風性に優れ、主に駐輪場などの小規模な施工面積で施工される方法です。
2.はぜ締めタイプ
ボルトを使用せずタイトフレームの上に取り付けた金具を2枚の折板屋根で挟み、折り曲げ部分(はぜ)を締めて固定する方法です。ボルト穴が存在しないため雨水が浸入しにくく見た目も非常に綺麗な施工方法で、比較的広い施工面積で施工されます。
3.嵌合タイプ
折板屋根2枚を金具でタイトフレームに固定しボルトが出ないよう継ぎ目にキャップを取り付ける施工方法です。
雨風に強い構造の折板屋根ですが、メンテナンスはもちろん瓦や化粧スレート同様欠かせません。
折板屋根で雨漏りが起きる要因として多い原因はボルト部分の錆です。比較的屋根材よりもボルトが早く錆びてしまうのですが、金属屋根材であるが故に錆が移り被害が拡大してしまいます。
するとボルト穴付近やもらい錆びを受けた折板屋根が穴あきを起こし雨漏りが発生してしまうのです。
下地にあたる野地板がないため雨は直接屋内に浸入してしまい、工場や倉庫であれば大事な機材の故障につながる恐れもありますので、雨漏りを起こさせないようにさせる必要があります。折板屋根の主なメンテナンス方法は以下3点です。
1.屋根塗装
錆が原因となる金属屋根材の劣化を防ぐには屋根塗装が有効です。もちろん折板屋根も定期的な屋根塗装メンテナンスを行う必要があり、特にボルトが露出している重ねタイプの折板屋根は錆が進行しているケースが多いため、早めの塗り替えを検討しなければなりません。
2.屋根カバー工法
経年劣化が著しい、雨漏りを起こしてしまった折板屋根メンテナンスにオススメしているのが屋根カバー工法です。既存屋根材と新規屋根材の間に断熱材を設置することで断熱性・遮音性を向上させることもできます。
3.葺き替え工事
折板屋根が部分的に破損してしまった場合、全面改修で屋根葺き替え工事を行うことも可能です。下地がなく吹き抜け状態になってしまいますので、工場や倉庫の場合仕事の手を止めることも検討する必要があります。
折板屋根の耐用年数は20~30年ですが、工場や倉庫などは30年以上使用し続けていることがほとんどです。
大規模建築物だからこそリフォームは高い出費を覚悟しなければなりませんし、日ごろの業務もあるためメンテナンスを簡単には考えられません。もちろんより良い環境を求めてのリフォームには賛成ですが、雨漏りや破損が起きてしまった場合一時的な問題では済まなくなる可能性もあります。
だからこそ私たち街の外壁塗装やさんでは、折板屋根には比較的リーズナブルな価格で行える屋根塗装メンテナンスを継続して行うことが重要であると考えています。
雨漏りが発生していない状態であれば屋根塗装による塗膜保護が可能です。折板屋根が色あせた気がする、錆によって赤くみられるようになった、チョーキングによって足跡が残っている等、塗膜の劣化がみられるようになったら塗装を検討しましょう。
ここでは折板屋根を塗装する際の工程をご紹介します。一般住宅の塗装工程と変わりませんので金属屋根材を使用している方はぜひ参考にしてみてください。
1.足場仮設・メッシュシート
折板屋根は3寸勾配から施工できるため屋根上を歩くことができる現場も多いですが凹凸で足元が不安定なこと、高圧洗浄や吹き付け塗装を行った場合の飛散防止を考慮して足場仮設・メッシュシートが必要になるケースがほとんどです。足場を仮設したタイミングで外壁や雨樋のメンテナンスを同時に行うこともオススメです。
2.高圧洗浄
折板屋根は凹部(谷)に汚れがたまりやすいため、塗膜の密着性を高めるためにも入念な高圧洗浄が欠かせません。チョーキングや塗膜剥がれをしっかり洗い流し乾燥させます。
3.下地調整
錆の再発と拡大を防ぐためにケレン作業で錆を削り落とします。波型の折板屋根はケレン作業が非常に大変ですが、錆をしっかり落とさないと錆ごと塗膜が剥がれてしまったり腐食による穴あきを起こしてしまいますので最も大事にしたい作業工程です。
またボルト周辺の錆が進行している場合はシーリング補修で隙間を塞ぐなどの処理も行います。
4.屋根塗装
下塗り・中塗り・上塗りの3工程で屋根を保護する塗膜を形成していきます。金属屋根の場合は錆止め機能の高い塗料を下塗りに使用し、錆の再発を防ぎます。中塗り・上塗りには耐久性に優れたシリコングレード以上の塗料を使用し塗装サイクルを延ばしましょう。
屋根表面は太陽光を浴びることで非常に熱く、下地がない折板屋根は尚更室内に熱を伝えやすい傾向にありますので遮熱塗料や断熱塗料を使用するのも一つの手ですね。
5.ボルトキャップ設置
最後に折板屋根ならではの工程です。重ねタイプの折板屋根はボルトが露出しているため雨漏りのリスクが高くなります。通常はボルトが劣化しないようキャップを取り付けるのですが経年により割れてしまったり、施工時に取り付けられていない現場もございます。
ボルトの劣化・錆は雨漏りを起こす要因ですので屋根塗装後にボルトキャップを設置し劣化を防ぎましょう。
塗装のお見積りを作成する際に現地調査はもちろん図面による屋根面積の確認を行うのですが、「図面でみた屋根面積と塗装面積が違う」という質問をいただくことがあります。折板屋根だからこそ起こる問題なのですが決して計算を間違えているわけではありません。
折板屋根は図面上で見れば平面ですが断面は見ての通り凸凹としていますので、塗装面積は平面で見た面積よりも広くなるのです。
しかし塗装面積の計算方法を知らないと、
①施工面積が狭く費用が安い業者に頼んだら塗料が足りず追加費用が発生してしまった、
②塗装面積が異なり高い費用で工事を依頼してしまった
という結果に繋がる危険もあります。
一般住宅はもちろんのこと、工場や倉庫のメンテナンスを行うために施工面積や施工方法、おおまかな費用は把握しておくべきですので折板屋根の塗装面積を計算する方法をご紹介します。
1. 屋根面積×塗装係数
化粧スレートやアスファルトシングルのような平坦な屋根材は図面上の屋根面積と塗装面積に相違がないため簡単に計算できます。しかし凹凸のある折板屋根等の屋根材は図面上の面積に係数をかけて塗装面積を知る必要があります。
例えば
です。
メーカーや製品によって多少の誤差が生じるため係数は異なりますが大まかな塗装面積を把握することができますので、見積書の面積があっているのか確認したい、屋根塗装の概算を求めたいといった場合に役立ちます。
2. 計算から塗装面積を求める
さらに正確な塗装面積を求めたい場合は実際に使用している屋根材凹部の斜辺の長さを計算することで求められます。この計算には「三平方の定理」を用います。
A²+B²=C²(斜辺)
例えば長辺が120㎜、短辺が50㎜だった場合、
120²+50²=130²
屋根の水平長さがわかれば
十分な耐久性を維持するための塗料1缶で塗れる面積は決まっていますので、メンテナンスを行う上で塗装面積を求めることは非常に重要です。
塗料が足りず塗布回数を減らされた、色ムラが起きた、追加費用が発生したなどのトラブルが起きないように折板屋根等の塗装を検討する時には大雑把にも把握するようにしておきましょう。
耐久性に優れた折板屋根はそれほど頻繁なメンテナンスが必要なわけではありませんが、メンテナンス時期には折板屋根の状態に適したメンテナンスが求められます。
そして雨風に強い折板屋根だからこそ正しい塗装メンテナンスを行うことで、通常よりも長く雨漏り・破損を起こさない状態を維持できるのです。そのためにはまずメンテナンスの時期を見極めることが重要です。
折板屋根であれば補修が必要ないにしろ錆が発生していないか、塗膜の劣化がみられないか10~15年ごとにチェックしておきましょう。
そして実際に塗装メンテナンスを行う際には、錆を綺麗に取り除いているか、錆止めをムラなく施工しているか、ボルトキャップを取り付けているかを確認し劣化を防ぎましょう。屋根は直接確認することが難しい場所ですので、施工前の状況説明がしっかり行われたのか、施工写真を工程ごとに撮っているのかを確認することがポイントです。
私たち街の外壁塗装やさんでは打ち合わせシートを用いお客様とのやり取りが相互で確認できるよう記録を残しております。また点検から施工管理まで一人の担当者が行うことで「誰かに伝えれば良いのかわからない」「担当者が変わり引継ぎが行われていない」といった問題がありません。
屋根がメンテナンス時期か見てほしい、概算費用を知りたいだけでも構いません。折板屋根から雨漏りを起こしてしまう前に補修を行えるよう、ぜひ無料調査をご利用ください。
折板屋根とは鋼板を折り曲げることで高い強度を持ち、大きな屋根にも施工することが可能な金属屋根材です。固定方法は施工面積や折板屋根の種類により異なりますので特徴を把握しておきましょう。
折板屋根のメンテナンス方法は塗装・屋根カバー工法・葺き替えがありますが、葺き替えは一時的に建物が利用できなくなるため現実的はありません。雨漏り等による補修が必要になってしまう前に塗装メンテナンスで錆による腐食・穴あきを防ぎましょう。
折板屋根塗装の方法は通常の金属屋根材と変わりませんが、ボルトの劣化を防ぐために塗装後のボルトキャップ設置が見積もりに記載されているかをしっかり確認しましょう。屋内へ熱を伝えやすい折板屋根には遮熱・断熱塗料での塗装もオススメです。
凹凸のある折板屋根は図面上の屋根面積と塗装面積が異なります。概算面積を知りたい場合は塗装係数、正しい塗装面積を把握したい場合は谷斜辺の長さを三平方の定理で計算し求めましょう。
頻繁なメンテナンスが必要ない折板屋根だからこそメンテナンスを行う際は適切な施工が求められます。塗装面積・費用が知りたい、折板屋根のメンテナンスについて相談したい等お困りごと、疑問がございましたら私たち街の外壁塗装やさんの無料調査をご利用ください。