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AEP塗装とは?特徴やメリット・費用相場・おすすめメーカーの製品を徹底解説
内装の壁や天井をきれいにリフォームしたいけれど、できるだけコストを抑えたい。
そんなときに選ばれているのがAEP塗装(アクリルエマルションペイント)です。
水性アクリル樹脂を主成分とするこの塗料は、臭いが少なく環境にも優しいことから、住宅はもちろん、学校や病院などでも広く利用されています。
そして注目したいのが、お住まいの重要なメンテナンスポイントである「軒天」への塗装でよく採用されている点です。
この記事では、AEP塗装の基本的な特徴から費用相場、代表的なメーカー製品までを分かりやすく解説します。
初めての方でも安心して選べるよう、メリット・デメリットの両面から丁寧にご紹介していますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
AEPは何の略称?
AEPとは「アクリルエマルションペイント(Acrylic Emulsion Paint)」の略称で、アクリル系樹脂を主成分とした水性塗料を用いる塗装のことを指しています。
アクリル塗料の中でも水を主成分としており、溶剤系のようにシンナーなどを使用しないため、扱いやすく環境にも優しいのが特徴です。
住宅の内壁はもちろん、外壁や天井など幅広い用途で使用されており、住宅から商業施設までさまざまな建物に採用されています。
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AEP塗料の乳化による性質
AEP塗装の理解に欠かせないのが「エマルション(Emulsion)」という性質です。
これは、水と油のように本来は混ざり合わない液体を細かく分散させて安定させた「乳化状態」を指します。
AEP塗料は水の中にアクリル樹脂の粒子を分散させた構造を持ち、この乳化によって滑らかで均一な塗膜を形成します。
AEP塗料の仕上がりと強み
仕上がりの質感はマット(つや消し)で、落ち着いた印象を与えるのが特徴です。
また、耐アルカリ性や耐水性が高く、塗膜の形成力(造膜性)にも優れているため、長期間にわたって美観を維持しやすい点も強みとなっています。
さらに、水性塗料ならではの利点として、臭いが少なく作業しやすいという特性があります。
溶剤系塗料のような刺激臭が少ないため室内作業にも向いており、施工時の人体への負担が少ない点でも安心感の強い塗料と言えます。
乾燥中に発生する有害成分も少なく、環境配慮型の塗料として知られています。
AEP塗装の主な用途と選ばれる理由
AEP塗装は、その扱いやすさとコストパフォーマンスの高さから多様な用途で利用されています。
代表的な使用箇所は住宅の内壁や天井、そして外壁の一部などです。
特に「街の外壁塗装やさん」では、AEP塗料を湿気がこもりやすい軒下天井(軒天)に多く採用しております。
結露や汚れに強く、美しい仕上がりを長く維持することができます。
また、比較的安価で施工できるため、短期間での塗り替えが必要な建物やテナントにも向いています。
塗料が乾くのも早く、DIYでの補修にも使いやすいため、一般の方でも取り扱いやすい点も人気の理由でしょう。
このように、AEP塗装は「コスト」「安全性」「仕上がり」のバランスに優れており、プロから一般の方まで幅広く支持されている塗装の手段となっています。
住宅の外観を美しく保ちながら長持ちさせるためには、外壁や屋根だけでなく軒下天井(軒天)の塗装も欠かせません。
軒天は雨や直射日光が直接当たりにくい反面、湿気や結露がこもりやすく、カビが発生しやすい箇所です。
外からは見えにくい場所ではありますが、劣化が進むと美観を損ねるだけでなく、住宅の耐久性にも影響を及ぼすため、定期的な点検と適切な塗装が重要となります。
軒天メンテナンスにおけるAEP塗装の役割
軒天に使われる塗料には主にEP(エマルションペイント)、AEP(アクリルエマルションペイント)、NAD(アクリル樹脂系非水分散塗料)の3種類があります。
その中でAEPは、コストと機能性のバランスに優れた中間グレードの塗料として位置づけられています。
AEPの耐用年数
AEP塗装の耐用年数はおおよそ8〜10年とされており、基本的なEP塗装(約3〜5年)に比べて長持ちし、NAD塗装(約15年以上)に次ぐ性能を持ちます。
さらにアクリル樹脂が配合されていることで防カビ・防藻効果が高く、湿気の多い軒天でも劣化しにくいという特徴があります。
見た目の仕上がりも自然で美しく、きれいな外観を保ちやすいため、住宅の軒天塗装ではAEPが最も多く採用されています。
AEP塗装のメリット
AEP塗装が軒天に適している大きな理由の一つが、その施工性の高さとコストパフォーマンスです。
AEPは水性塗料のため、強い有機溶剤を含まず、塗装時の臭いが少なく安全性が高いという特長があります。
また、液だれしにくくムラになりにくい性質を持っているため、職人にとっても扱いやすく、丁寧で均一な仕上がりが得られやすいのです。
塗装工事を依頼する側のメリットとしては、アクリル樹脂をベースとした塗料であることから、比較的低コストでの施工が可能であることが大きいでしょう。
軒天は地上からよく目に入る部位になりますので、外壁塗装とあわせてAEP塗装を行うことで、外観全体が明るく蘇ったというケースも多く見られます。
さらに、約8〜10年の耐久性を持つため、頻繁に塗り替えを行う必要がなく、長期的な視点で見るとかなり経済的です。
AEP塗装の注意点
一方で、AEP塗装には注意すべき点もあります。
まず、水性塗料という性質上、手あかやシミが付きやすいというデメリットがあります。
軒天は室内のように頻繁に触れる場所ではないものの、特に白系の塗装では汚れが目立ちやすいため、仕上がりの色選びや定期的な清掃が重要です。
とはいえ、AEPは上塗り補修が容易なため、汚れが気になる箇所を部分的に塗り直すことでも対応できます。
また、経年劣化によって塗膜の剥がれや浮きが発生しやすい点にも注意が必要です。
塗装が剥がれたままの状態では、そこから雨水が浸入し、軒天材そのものや構造部(躯体)にまでダメージが及ぶ恐れがあります。
このようなトラブルを防ぐためには、定期的な点検と再塗装が欠かせません。
塗膜のはがれや色あせが確認できたら、早めに補修を行うことで大掛かりな修繕費へと膨らむことを防ぎ、建物全体の寿命を延ばすことができます。
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EP塗装とは?
AEP塗装を正しく理解するためには、よく比較されるEP塗装(エマルションペイント)との違いを押さえておくことが大切です。
EPとは「Emulsion Paint(エマルションペイント)」の略称で、AEP塗料と同様に水と油といった本来混ざり合わない液体が乳化状態を保ちながら均一に混ざっている塗料のことを指します。
かつては内装や軒天塗装などにEP塗料が広く用いられていましたが、現在ではAEP塗装が主流となっています。
理由の一つは、EP塗料の改良版とも言えるAEP塗料が登場し、性能面で大きく進化したことにあります。
今日の市場で「エマルションペイント」と表記されている製品の多くは、実質的にはアクリルエマルションペイント(AEP)であり、両者が同じ意味として扱われることも少なくありません。
ただし、厳密に見ればAEPとEPは異なる塗料であり、その違いは使用している分散材(溶媒)にあるんです。
AEPとEPの本質的な違い
両者の最大の違いは、樹脂を分散させる媒質が「水」か「溶剤」かという点にあります。
AEP塗料は水性アクリル樹脂塗料に分類され、樹脂を水の中に分散させている水性タイプです。
これに対し、EP塗料は、有機溶剤の中に樹脂を分散させる溶剤系であり、この構造の違いが性能や使い勝手に大きく影響します。
AEP塗料は耐水性・耐アルカリ性に優れ、塗膜形成(造膜性)が高いという特徴を持ちます。
塗装後の仕上がりもムラが少なく、マットな質感をきれいに表現できるため、住宅塗装では非常に人気があります。
一方でEP塗料は水やアルカリに弱く、耐久性の面でAEPに劣る傾向があります。
そのため、かつては多く使用されていたものの、現在では徐々に使用頻度が下がりつつあります。
また、AEP塗料は有機溶剤を含まないため、臭いが少なく安全性が高い点も大きなメリットです。
施工時の環境負担が少ないことから、一般住宅のほか、学校や病院、公共施設の塗装などでも選ばれやすくなっています。
| AEP塗料 (水性アクリルエマルション) |
EP塗料 (溶剤系エマルション) |
|
|---|---|---|
| 樹脂の媒質 | 水 | 有機溶剤 |
| 臭い | 少ない(低刺激) | 強い(刺激臭あり) |
| 耐水性・耐アルカリ性 | 高い | 弱い |
| 仕上がり | マットでムラが少ない | 光沢・ムラが出やすい |
| 環境・安全性 | 高い(学校・病院でも使用) | 溶剤臭による環境負担あり |
このように、AEP塗装はかつての主流だったEP塗装と比較しても環境性能・安全性・耐久性のバランスが取れた現代的な塗料として高く評価されていることがわかります。
特に軒天や内装など、湿気の影響を受けやすい場所では、AEP塗装を選ぶことでより安心して長く美しさを保つことができます。
コストを抑えた塗装ができる
AEP塗装の大きな魅力のひとつは、費用を抑えた施工が可能な点です。
使用されるアクリル樹脂塗料はその他の種類であるウレタンやシリコン、フッ素といった塗料に比べると価格が安く、全体の施工費用を低く抑えることができます。
▼外壁塗装で使用される塗料の種類の費用相場・耐用年数
| 塗料の種類 | 耐用年数 | ㎡単価 |
|---|---|---|
| アクリル塗料 | 5年~8年程度 | 1,000~1,500円/㎡ |
| ウレタン塗料 | 7年~10年程度 | 1,800~2,500円/㎡ |
| シリコン塗料 | 10年~13年程度 | 2,500~3,500円/㎡ |
| フッ素塗料 | 15年~20年程度 | 3,500~5,000円/㎡ |
| 無機塗料 | 20年~25年程度 | 4,000~5,000円/㎡ |
臭いが少なく、健康にもやさしい
AEP塗装は水性塗料であるため、溶剤臭がほとんど発生しません。
油性塗料で使用されるシンナーや有機溶剤を含まないため、塗装中に強い臭いが充満することがなく、室内作業でも快適に進められます。
有機溶剤に含まれるメタノールやトルエンなどは、長時間の吸入により頭痛や吐き気を引き起こす可能性が指摘されていますが、AEP塗装は水を主な溶媒としているため人体への影響が少なく安全性が高い塗料という評価がされています。
健康面での配慮から、お子様や高齢の方がいるご家庭、医療・教育施設などにも適した環境配慮型の塗料といえます。
扱いやすく、美しい仕上がりを実現しやすい
AEP塗料は施工性にも優れており、プロだけでなくDIYにも適した扱いやすい塗料です。
粘度が程よく、液だれしにくいため、初心者でも比較的簡単にムラのない塗装ができます。
さらに、乾燥後の仕上がりはフラットで滑らかです。
ローラーで広範囲を塗り、細部を刷毛で整えることで、均一で美しい質感を実現できます。
補修がしやすく、メンテナンスコストを軽減
AEP塗装は部分補修が容易という点でも優れています。
汚れや傷がついた部分だけをハケやローラーで上塗りすれば、簡単に補修が完了します。
再塗装や小規模な補修を手軽に行えるため、長期的に見てもメンテナンスコストを抑えられる経済的な塗料といえます。
自宅のちょっとした修繕をDIYで済ませたいという方にもとっても扱いやすいのが大きなメリットです。
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汚れや傷が目立ちやすい性質
AEP塗装は見た目が美しく、なめらかな仕上がりが魅力ですが、その一方で汚れがつきやすく、目立ちやすいという弱点があることも知っておく必要があります。
手あかやシミ、擦り傷などが残りやすく、特に白や明るい色で仕上げた場合は汚れが目立ちやすくなります。
内装の塗装で使用している場合、キッチンや洗面所など水はねや油汚れの多い場所では、シミや水垢がつきやすく、清掃を怠ると見た目が損なわれることもあります。
また、壁紙に比べて耐汚染性が低いため、生活動線上の壁(廊下やスイッチ周りなど)では注意が必要です。
ただし、メリットとしてご紹介したようにAEP塗装は上から簡単に塗り直しができる補修性の高さも持っています。
汚れやキズが気になる箇所を手軽に上塗りすれば再びきれいな状態を保てるため、こまめなメンテナンスを行うことでデメリットを十分にカバーできます。
接着力が弱く、塗膜がはがれやすい
AEP塗料は水を溶媒とする水性塗料のため、溶剤系の塗料に比べて接着力が弱いという特徴があります。
そのため、下地の汚れやひび割れなど塗膜の密着性が不十分な状態で施工すると、時間の経過とともに塗料がはがれたり、浮きが発生する可能性が他の油性塗料よりも一気に高まります。
この問題を防ぐためには、施工前の下地処理が非常に重要です。
汚れやホコリをきれいに除去し、必要に応じてシーラー(下塗り材)を塗布することで、塗料がしっかりと密着して剥がれにくい仕上がりになります。
適切な下地処理を行うことで、AEP塗装の持つ弱点を最小限に抑えることができますので、そういった対応を怠らない業者への依頼が重要になってきます。
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【注意ポイント】定期的なメンテナンスが不可欠
AEP塗装はコスト面や施工性に優れる一方で、耐久性が比較的短い塗料でもあります。
経年劣化によって塗膜がはがれたり、色あせや汚れが目立ち始めるため、定期的な点検と塗り替えが欠かせません。
特に外壁や軒天などの屋外部分に使用する場合は注意が必要です。
外壁の塗装補修を行う際には足場の設置が必要になる場合が多く、その分の費用も発生します。
室内塗装としては扱いやすく経済的ですが、屋外ではメンテナンスコストを意識した計画が重要になります。
AEP塗装は「低コストで美しく仕上げられる塗料」ですが、長期的な耐久性を重視する場合には、ピュアアクリルやシリコン、フッ素系塗料といった他の選択肢も検討することが望ましいでしょう。
業者に依頼する場合の費用相場
AEP塗装の施工単価は、1㎡あたりおおよそ1,200円〜1,800円前後が一般的な目安です。
他の塗料と比べて材料費が安価なため、トータルの費用を抑えやすいです。
ただし、「安い」というイメージだけに引っ張られず、検討時には以下の点に注意しましょう。
施工面積による単価の変動
施工面積が広くなるほど、1㎡あたりの単価は下がる傾向にあります。
逆に、部分補修など小規模施工では割高になる場合もあります。
軒天塗装などの部分的な塗装の場合、AEP塗装の単価は事前に業者の見積もりをよく確認しておきましょう。
相見積もりで業者の塗装価格を比較
塗装工事では、業者によって見積り内容や金額のばらつきがあります。
必ず複数の業者から見積りを取り、金額だけでなく施工内容や保証の有無も比較することが後悔のない選択・施工につながります。
おすすめメーカーと代表的なAEP塗料
AEP塗装は経済的で扱いやすい一方、汚れやすさや接着力の弱さがデメリットとして挙げられていましたよね。
最近では、こうした短所を補うための高機能なAEP系塗料が多数登場しています。
以下に代表的なメーカーと製品をご紹介します。
エスケー化研株式会社|水性エコファイン
ヤニ止めや汚染除去性能を備え、汚れやすさを軽減できる改良型AEP塗料です。
「水性エコファイン」公式ページはこちら
日本ペイント株式会社|水性ケンエース
ヤニ・シミ止め効果に加え、高い付着性と耐水性・耐アルカリ性を兼ね備えた人気製品。
従来のAEPよりも塗膜の密着性が高く、長持ちしやすいのが特徴です。
「水性ケンエース」公式ページはこちら
株式会社トウペ|ウォルテックスハイリッチ
塗りやすく伸びが良いため、均一で美しい仕上がりを得やすい塗料。
DIYにも向いています。
スズカファイン株式会社|AEPクリーン60
VOC(揮発性有機化合物)含有量0.5%以下の環境配慮型塗料で、ツヤ消しの落ち着いた質感が魅力です。
「AEPクリーン60」公式ページはこちら
大信ペイント株式会社|アクティグロス
光沢性・耐候性が高く、無公害性にも優れた製品。
屋内外を問わず幅広く使用できます。
軒天に適したAEP塗料
AEP塗装は軒天(のきてん)などの天井部にも多く使用されています。
日本ペイント株式会社:エコフラット100
VOC(揮発性有機化合物)をほとんど含まず、防藻・防カビ・抗菌・ホルムアルデヒド吸着機能を備えた環境配慮型塗料です。
「エコフラット100」公式ページはこちら
関西ペイント株式会社:ビニデラックス300
低VOC仕様で、ローラーやハケ塗りにも適した作業性の高い塗料。
ムラのない均一な塗面に仕上げられます。
AEP塗装は、コストを抑えながらも美しい仕上がりを実現できる優れた塗装方法です。
特に室内の壁や天井などに適しており、臭いが少なく、環境にもやさしい水性塗料として多くの住宅で採用されています。
ただし、塗料の性質を正しく理解し、適切な下地処理や塗装工程を行わなければ、仕上がりにムラが出たり、早期の剥がれにつながることもあります。
そのため、AEP塗装を検討する際は、実績のある専門業者に相談することが重要です。
複数の業者から見積もりを取り、施工内容や使用塗料、保証内容を比較することで、安心して任せられる会社を見つけやすくなります。
また、単に価格だけで選ぶのではなく、説明の丁寧さや現地調査の細やかさ、アフターフォローの有無なども業者選びの大切なポイントです。
「費用を抑えたいけれど、品質も妥協したくない」
そんな方こそ、AEP塗装を扱った塗装実績が豊富である、私達「街の外壁塗装やさん」にお任せください!
ご相談・現地調査・お見積り作成まで無料で承り、工事完了まで担当スタッフがしっかりとサポートいたします。
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